ロクブリュヌ
(C)TEPPEI SASAKURA / ART TERRACE
ロクブリュヌ
~Roquebrune~
シルクスクリーン
73.0*60.0cm
(2002年リリース)
「のどか」だった。
南仏には斜面や丘の上に築かれた小さな村が多くあるが、
上から望めるような村は数少なく幸運だった。
この辺りの村はたいがい細い道が迷路のように入り組んでいて、家々はそれに沿わせるように体を歪ませながら身を寄せ合っている。
普段、几帳面な景観に目を慣らされてしまっているせいか、こんな風に歪んだ不規則な
配列が妙に心地よく感じてしまった。
古い屋根や新しく修理された屋根屋根は
色も微妙に違い表情も豊かでそれぞれが素性を語りかけてくれ、個性がありながらも
調和がとれている。人もそうありたいと暫く見とれている間にふと気づいた事があった。
この風景を描く為には、おそらくバラの花畑を描く時と同じ絵の具をパレットに
並べる事になるだろう・・・。
そんな気持ちが現実の屋根の色味よりも随分と
「バラ色」に近い色での表現へと導かせた。
よければ一度、
こんなのどかな村での暮らしを想像してみてほしい。
一日という時間はどう過ぎて行くだろう。
海を遠くに眺めながらのお茶の味はどうだろう。
その時、話題の中心は何なのだろう・・・。
もしかしたら、そんな所に本来の自分を取り戻したり、思い煩う事を
消してくれる何かが隠れているのかもしれない。
何処で生活していようとも、そんな「気持ちの持ちよう」が大切なのだろう。
*村に残る中世時代の城跡の上から村を見下ろした風景で、遠くに見えるのは地中海
笹倉鉄平
