ブリッゲン
新作
(C)TEPPEI SASAKURA / ART TERRACE
≪アートテラス設立10周年記念作品≫
ブリッゲン
~Bryggen~
ジクレー&シルクスクリーン オン キャンバス
38.8×110.0cm
(2009年08月リリース)
ノルウェーの港街ベルゲンは、フィヨルド地方に在るせいか、港の背後すぐそばまで山肌が迫り、
そこに張り付くかの様にして家々が建っている。
旧市街地側の港では、茶系の色や白色に塗られて一列に並ぶ古い木造の建物が目を引く。
この建築群は「ブリッゲン」と呼ばれ、14世紀頃、ハンザ同盟の四大重要都市として繁栄し、
商人・職人の家や事務所、倉庫などとして使われていたという。
現在では、レストランやカフェ、雑貨店、ギャラリー等として利用され、世界遺産としても人々から愛されている。
個性ある独特の建築様式と、どこか懐古的な魅力あふれるその色合いに一目で心惹かれ、
“この雰囲気をどうしたら絵に出来るか”という思いで頭がいっぱいになった。
まずは、ブリッゲン全体を眺めながら、
スケッチしたりアイデアを練ったりするのに最適なちょうど対岸に在るホテルの海側に部屋を取ることにした。
昼間見る様子も良い感じだったのだが、そこから見る夜景に制作心をより刺激された。
そして、夜の薄藍色を現実そのままに描くのではなく、
昼間のレトロな色合いが作り出す雰囲気を活かした夜の情景として、表現できないものかと想像を広げてみた――
結果、“全体をセピアな色調にする”というアプローチではなく、ブリッゲンに使われている色以外の色彩を画面から無くす・・・
つまり、家や船等から木々に至るまで、風景の中に在る緑や青の系統の色を
グレー系の色調に変える、という方法を思いついた。
すると、実際の色合いからは離れてゆきつつも、
徐々に頭の中のイメージには近づいてゆき、ようやく絵が“微笑んでくれた”様に感じた。
笹倉 鉄平
