ヴァカンス

画業15周年記念作品

        月   ~ Moon Side ~                             カモメ   ~ Gulls Side ~

vacances_m&g

(C)TEPPEI SASAKURA / ART TERRACE

ヴァカンス
~Vacances~

シルクスクリーン
43.5*72.6cm

(2006年リリース

一枚でも購入できます

南フランス、マルセイユからバスで一時間ほど行った所に、カシーという小さな港町がある。

かつて、画家のマティス、デュフィ、ドラン、ヴラマンク等もここを描いており、
一度足を運んでみることにした。
東のピュジェ山塊、西のカナイユ岬に挟まれた入り江の、小さな漁港ではあるけれど、
地元の人々のリゾート地として人気があるようで、夏場は活気に満ちている。
静かな入り江の懐に囲まれた夜の港は、
ここ暫く心に描き探していた理想のモチーフに近く、制作意欲をかきたてられた。
まず、横に長いキャンバスに描こうと思い、港全体を見渡せる位置からスケッチをしてみた。
すると、左側の家並みがななめ奥へと入り込んでいる為、よく見えない。
そこで、自分の位置を左側にあった防波堤へと移すものの、
左の家並みの見映えはちょうど良くなるのだが、今度は右側の方のおさまりが悪くなってしまった。
どうしようかと迷いながらも、結局、右と左の家並みが
それぞれにベストな形で画面におさまる立位置を選び、一枚ずつ二枚に描く形をとりながらも、

並べて見ると、その二枚がつながって見えるように工夫しながら描くことにした。
夕暮れ時、この絵にも描いた海に面したカフェで、
ご当地料理のブイヤベースを食べながら、静かに凪いだ海に目をやる。
水面に映る世界が、時折吹くそよ風にあわあわと揺らぐ。
その穏やかな揺らぎは、まるで疲れた神経をほぐすマッサージの如く心地よく目に映る。
そんな魅惑的な感覚を、ストレートに表現しようと試みた。
もしも自分がヴァカンスをとるなら、
“これぐらいのこんな”街がちょうどいいと思った。

笹倉鉄平

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