イルミネーション
(C)TEPPEI SASAKURA / ART TERRACE
イルミネーション
~Illuminations~
シルクスクリーン
72.4*24.0cm
(2004年リリース)
真冬のドイツ山間部を訪ねていたある日、朝早く外へ出てみると・・・
樹木の枝という枝が、積もった雪を載せてキラキラと輝いていた。
澄み切った冬の空気で、遠近感が弱くなっているせいか、
重なり合って見えている枝々が、細かく編みこまれた純白のレース模様のように見えた。
自然の創り出す造形はなんと美しいのであろうかと、ため息をつかずにはいられなかった。
そして、その様子を是非絵に描いてみたいという気持ちになった。
樹木のフォルムを活かしたいと思い、帰国後、縦長の変形キャンバスを用意して、まず樹々のデッサンから始めた。
描き進めてゆくうちに、だんだんと頭の中に絵の全体像が浮かんできた。
家は、ドイツ風ではなく、フランス内陸の山間部に見られるような様式の方が、
なぜかこの絵には似合うように思え、昔のスケッチブックを参考にしながら描いていった。
そして、下描きが出来上がった頃、ドイツのとある田舎街の外れにあった結氷した池で
そり遊びをしていた子供達のことをふと思い出すと、
絵の中に主役として登場させてあげたくなった。
こうして、誰一人行ったことも、見たことも無い、現実に存在しない空想の景色が絵になった。
制作の間中、私の心はずっとこの静かな雪明りの世界で遊んでいた。
笹倉鉄平
